小説家になろうのWEB版『Re:ゼロから始める異世界生活』の第七章1『洗礼』2『アニマルトラッキング』について解説と考察をしました。
解説動画はこちらからどうぞ。
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第七章1『洗礼』振り返り
・監視塔の四層は通路、天井、床が崩壊し緑部屋は原形をとどめていなかった
・塔を襲った影はボルカニカの息吹で薙ぎ払った
・ボルカニカは今はエミリアの指示に従い、大人しくしている
・ラムの共感覚とベアトリスの契約の繋がりからレムとスバルが生きている事を感じた
・影は陰魔法・陰属性でベアトリスによれば指向性のあるシャマクに近い
・シャマクの特性は『分離』上級のそれとなれば空間と空間を分かつ
・シャマクはその気になればどんなに強固な物体でも分かつことができる『嫉妬の魔女』の得意技
・ベアトリスによれば影はスバルたちを切り刻むためのものじゃなく、取り込んでどこかへ運ぼうとはしてた
・影は自分のところへ運ぼうとしてた可能性だが、ボルカニカの息吹で妨害された結果どうなったか
・ラムとベアトリスによるとスバルとレムの居場所は南のヴォラキア帝国
・ユリウスによれば帝国は数ヶ月前から一時的に王国との行き来を禁じておりスバルたちを助けにいくのは大変
・ヴォラキア帝国へ入国するなら、正面からの突破は不可能で、裏道を探るにも時間とツテが必要
・一方レムはスバルに馬乗りになるもルイが飛びかかり揉み合いになる。しかしスバルはレムからルイを引き剥がす
・レムはラムの鬼化からの共感覚のフィードバックで足が動かず立てなかった
・レムがクルシュと同じ記憶喪失の状態だとスバルが認識する
・スバルにクリンドが水源の確保など、こういう状況になった時の為の様々な技術や知識を叩き込んでくれていた
・レムを説得し、レムを背負って歩くことに
・ルイの赤ん坊のような行動にルイの精神に底知れない何かが起こったことは間違いないと感じた
・レムにルイを助けないのか聞かれるもスバルは置いていくと言う
・その選択にレムは後ろからスバルの首を締める
・魔女の残り香について言われるも喋るまもなくスバルは意識を失う
・覚醒するとレムもルイもおらず、スバルは死んではいなかった
・草の上に引きずった跡があり、どこから森に入ったかわかった
・森は熱帯雨林のような雰囲気
・視界の端に何かが映ったと感じた途端、太い矢がスバルの胸を貫き、後ろの大木に縫い付けられていた
・尋常でなく、太く強い矢の一撃。まさしく強弓
・レムの名前を叫ぶも死が近づくのを感じた
第七章1『洗礼』の解説・考察
嫉妬の影とボルカニカの息吹
嫉妬の影はシャマクのようなもので空間と空間を分かち、恐らく自分の元へ運ぼうとしていたようです。つまり東の封魔石の祠ということでしょうか?
しかしボルカニカの息吹の妨害により、スバル達は南のヴォラキアに飛ばされたということのようです。シャマクが嫉妬の魔女の得意技だとは初めて知りましたが、4章の嫉妬の影で多数の人の意識が混ざりあい自分がなくなったのも、シャマクの効果だったということでしょうか。
また動けないはずの嫉妬の影が襲ったのも、可能性として嫉妬の魔女がシャマクを使えるので、精神だけをシャマクで飛ばし、スバルに声を届けていたのかもしれません。
ヴォラキアの現状
そしてスバル達が飛ばされたのが今回ヴォラキアのどこかだと判明しましたが、なんと、ユリウスによれば一時的に王国との行き来を禁じているとか。なので、正面からは行けないようでした。
行き来を禁じている理由は不明ですが、もしかするとヴォラキアの内乱と関係あるのかもしれません、そして25巻の特典小説では、現在ヴォラキアにはプリシラ陣営がセリーナという貴族との繋がりで河から拉致された体で潜入し始めた所です。
内乱については、皇帝を決める選帝の儀でヴォラキアの血族同士での殺し合いをして、死ぬはずだったプリシラが生きているのに、皇帝として君臨し続けているヴィンセント・ヴォラキアに対する内乱が起きようとしているということです。
レムの記憶
そして今回レムの記憶について、クルシュと同じ記憶だけがなくなった状態だとスバルが言っていましたが、これはつまり周りの人はレムを思い出したということでしょうか?
名前と記憶の内、名前だけ返された為に目を覚ましたと言っていいのかわかりませんが、スバルの発言の通りクルシュと同じ状態なら、記憶だけが失われた状態で、周りの皆は思い出しているはずですよね。
しかし今回の話では、レムを思い出したという描写はなかったと思われます。これはまだどうなのかわかりませんね。また、レムが魔女の残り香について『そんな邪悪な臭いを漂わせて』と言っていましたが、記憶をなくしてもそれは感じ取れるようでした。
ルイの状態
そして今回ルイの状態についてスバルの見解がありましたが『底知れない何かが起こったことは間違いなかった』と表現されていました。また、記憶の回廊でルイが死に戻りを体験したことでスバルやこの世を恐れるまでの精神的ショックを受けていたとなっていました。
やはりまだルイが記憶の回廊から地上に出てきた理由もよくわかりません。考えられるのはルイは2人の兄が機能を失うと顕現できるようになるとかでしょうか。
スバルを殺した人物
まず、スバルはレムを追って森の『鬱蒼と木々の生い茂るそれは、スバルの印象ではどこか熱帯雨林のような雰囲気を感じさせるものだった』のような場所へ入りました。
そして太い矢に突如射抜かれて死にます。誰がこれをしたのか?EX4の流血の帝国外交をみましたが、そこに登場する九神将の中には弓を使う人はいませんでした。ただの兵士かもしれません。
しかし太い矢を後ろの木に突き刺さるまでの威力を出せるのがただの兵士だとは思えません・・・ネームドの新キャラかもしれません。
第七章2『アニマルトラッキング』振り返り
・スバルはゲートが壊れた結果マナの排出ができなくなり、溜まり続けると最終的には濁ったマナでボンといく
・リスタート地点はレムに首を絞められ意識を失い覚醒した後
・レムがスバルを味方だと思っていないせいかコル・レオニスが反応しない
・スバルを殺した太い矢を放った人物は『狩人』と呼ぶことにした
・再び森に入り進むと入った場所とは別の場所に出て、草原と地平線だけが広がっていた
・しかしそこに野営地があり誰かがいた痕跡があった
・すると突如現れた覆面男に剣を当てられた
・声からスバルと同年代かやや上でスバルの心中を読み取る洞察力があった
・背丈はスバルよりやや高く体格は細いぐらい。すらりと手足の長い立ち姿
・サーベルかレイピアのような刀身の細い剣を所持
・服装は上等な貴族風の衣装。顔に巻いたボロは、おそらく元はマントだったはずのもの
・覆面男は黒瞳の持ち主
・覆面男は『姿隠し』で突然現れ、気配までは消せず、相手に触ったり意識されると解除される
・覆面男に経緯を話すとレムはわざと痕跡を残し真逆の方向へ行ったと予想
・覆面男に革の鞘に収まった小さなナイフをもらい、使うと切れ味が鋭く名刀のようなものに思えた
・真逆の痕跡を見つけ森に入ると腕ほどもある枝の横薙ぎを受け吹っ飛ぶ。スバルはレムの罠だと感じる
第七章2『アニマルトラッキング』解説・考察
スバルのゲート問題
冒頭、ベアトリスの講義を受けていたスバルは、ゲートが壊れた結果マナが排出できない状態で、そのマナが溜まり続けるとマナが原因で体調を崩して、やがて濁ったマナでボンといくと言われます。
スバルはこのままだと爆発して死ぬことになります。しかしベアトリスとの契約で他の精霊と契約はできず、さらにベアトリスの現在地は遠いのですぐに駆けつけることは難しいと思われます。
とするとヴォラキアで出会う誰かにスバルの体内のマナを吸い取ってもらうしかなくなります。マナを吸い取るというのは、初代ロズワールが発魔期でエキドナが家に来た時にディープキスでマナを吸い取って調整してもらい発魔期が収まったという話があります。まさかこんな方法ではないでしょうが、スバルがいずれ7章で必ずぶち当たる問題だと思います。
スバル達が飛ばされたヴォラキアの場所
覆面男が
「この辺りでは見ない格好だな。バドハイムの気候に適しているとも思えん。手足も白い……地元のものではない」
と言っていることから、この草原と森の場所はバドハイムという場所だと思われます。ただ、リゼロでバドハイムという場所はこれまで出てきていないように感じます。なので、ヴォラキアのどこなのかははっきりとわかりません。
『姿隠し』とは
そして覆面男が所持していた『姿隠し』でその場に突如現れました。気配までは隠せないようですが、
『目についたのは覆面男の後ろに置かれている荷袋――それは突然、スバルの背後に現れた男同様に、その場所に急に現れたようにしか見えなかった』
となっており、人と物まで隠せるようです。さらに
「息を止め、隠れ潜むにはもってこいの道具だがな」
と言っていることから魔法や精霊の力などではなく道具であることがわかります。
ここで考えられるのは2つです。エルザの魔法を一度だけ打ち消す術式が編み込まれたマントのように術式が入っている道具、もしくはミーティアです。ただ感覚的には道具や人すらも隠せることからミーティアな感じがします。ミーティアとは魔法が使えない人でも魔法が使える道具の通称です。
豆知識として、ミーティアは別名シューティングスターで日本語では流れ星です。エキドナが『願いを叶えるから流れ星』という意味を込めてこの道具の通称を『ミーティア』と名付けました。
覆面男の正体はヴィンセント・ヴォラキア?
そして覆面男の正体についてですが、
・黒瞳
・上等な貴族風の衣装
・顔に巻いたボロは、おそらく元はマント
・天性のカリスマ
上記の情報や言葉遣いなども考慮すると考えられるのはもう一人しかいません。第77代神聖ヴォラキア帝国皇帝のヴィンセント・ヴォラキアです。まず黒瞳はリゼロ世界では珍しく、スバル、エルザ、アル、ヴィンセントくらいしかいません。さらに貴族風の衣装にカリスマ性、喋り方からこの人しか考えられません。
そして覆面男がヴィンセントだった場合なぜここにいたのか?
それは、プリシラやフェルトの特典小説で明らかになっていますが、ヴォラキアで内乱の兆しがあり、さらにプリシラがヴォラキアからの刺客に襲われたことからも、ヴォラキア皇帝を決める血族同士の殺し合い『選帝の儀』にて、全員殺さなくてはいけないはずが、ヴィンセントはプリシラを生かした為、それが知られ皇帝の座を追われているのだと思われます。
なので、刺客に追われ城にいることができずに森に逃げ込んだというと辻褄が合います。
ただ、ヴィンセントは少年時代のセシルスを拾ったり、セシルスとある程度深い仲であり、チシャ・ゴールドという参謀もついているはずですが、なぜか一人でした。他の九神将も敵に回ったということなのかもしれません。
一人称が俺
そしてまた一つ気になるのがもし覆面男がヴィンセントなら一人称は『余』なはずです。しかし
「勝手なことを。俺も貴様の顔を見て、改めて刺客か疑い直しているところだ」
など今回の覆面男の一人称は『俺』になっています。
これを考えてみたのですが、選帝の儀が描かれている外伝小説『紅蓮の残影』を見ると選帝の儀終盤でプリシラと一緒にいたアラキアをプリシラを生かす為の説得した時のヴィンセントの言葉。
『お前に聞かせておく話がある。俺から…いや』『ーー余から、だ』
です。この時点で皇帝になれると確信したのか、皇帝としてアラキアに話をしたという体なのか、一人称が『俺』から『余』になっています。
皇帝としてのヴィンセントの一人称は『余』であり、プライベートもしくは皇帝ではない時の一人称は『俺』になっているんです。そこで今回の7章で覆面男がヴィンセントであり、一人称が『俺』になっているとすれば、既に皇帝を追われているもしくは、プライベートな場だったので、一人称が『俺』になっていると予想されます。
ヴィンセント・ヴォラキアとは
じゃあそもそもヴィンセント・ヴォラキアとは誰なのかという話ですが、当時のヴォラキアには男の皇帝に多数の妻がおり30,40人の兄弟姉妹がいました。
プリシラの元の名前はプリスカ・ベネディクトで、ヴィンセント・アベルクスは腹違いの兄ということでした。もちろん他に多数の兄弟がいるのでその内の一人です。
ただ、皇帝を決める際の『選帝の儀』にて、ヴィンセントやプリスカ達が殺し合い最終的にヴィンセントが勝ち77代皇帝になり、名前もヴィンセント・ヴォラキアになりました。
当時ヴィンセントには、大群を一人で薙ぎ払う実力が既にある少年のセシルスを拾い仲間としており、さらに参謀には頭が回るチシャ・ゴールドもいました。
一方プリスカは精霊喰らいのアラキアが仲間にいましたが、ヴィンセントとの交渉でアラキアが毒を飲み、プリスカがアラキアを助けようと毒を吸い自分が死にかけます。
しかしプリスカは死なず、死んだことにして影武者の名前であるプリシラとして新たな人生を歩き始めることとなりました。これがヴィンセントがアラキアを説得した内容です。ヴィンセントには勝てず殺されるはずのプリスカを生かす方法だったというわけです。
この話が描かれている『紅蓮の残影』は既に解説動画をアップしてるので7章をより楽しみたい方はぜひ見てみてください。『紅蓮の残影』はまだ書籍化されていません。
『狩人』の正体
そしてここで考えられるスバルを殺した『狩人』の正体についてです。
ただ、太い矢を放つ人物は誰なのかまだわからないのですが、なぜスバルを殺したのかです。
ヴィンセントとスバルは黒髪黒瞳と特徴が一致するんです。
矢は遠くから放ったようですし、特徴が似ていれば、細かく確認する前に殺してしまうのではないかと思います。
つまり森に逃げ込んだヴィンセントに対する刺客が、ヴィンセントの特徴と似ているスバルをヴィンセントだと思い込み殺したのではないかということです。
こう考えればスバルがいきなり殺された理由に辻褄が合います。
今後の展開
こうなってほしいという願望もありますが、スバルはヴィンセントに名前を名乗っています。そしてナイフをくれた事やレムの痕跡についてのアドバイスもくれました。逆にスバルは狩人の情報をあげましたね。
後にヴィンセントと再会し、さらにプリシラ陣営もヴォラキアにいるので、プリシラとヴィンセントは同じ刺客に狙われそうなことからも、この3者は共闘する流れになるのではないかと思っています。
そして7章の最後にはヴィンセントが皇帝に戻って終わりになるのではないかと思っています。
解説動画はこちらからどうぞ。
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