2022年11月11日から劇場で公開された新海誠監督の『すずめの戸締まり』。
今回、日本の地震や災害などを引き起こすミミズが出てこないように後ろ戸を封印していたのが2つの要石であった、ダイジンとサダイジンでしたが、サダイジンはなぜ抜けたのか?そして叔母の環さんに憑依して本音を引き出して鈴芽と喧嘩させたのはなんだったのか?描かれませんでした。
そこで今回はサダイジンを中心になぜ抜けたのか?環さんになぜ取り憑いたのか?について考察してみました。
ダイジンとサダイジンとは?
まずは最初にダイジンとサダイジンについてご紹介していきます。
ミミズという地震などの災害を引き起こす存在が後ろ戸から出てくるのを防ぐ為に宮崎県と東京の2つに後ろ戸に要石が置いてありました。
鈴芽は宮崎県の要石を知らずに引き抜いてしまい、その結果なのか、各地の後ろ戸が開いていきました。要石は猫になりダイジンとネットで名付けられてどこかに行ってしまいます。
さらには、いつの間にか東京の要石も抜けてしまい、100万人が死んでいたかもしれないミミズが後ろ戸より出てきました。結局は草太がダイジンに椅子にされた状態で要石になり、鈴芽がそれをミミズに突き刺すことで地震を防ぎました。
その後、東京の抜けた要石である、サダイジンと名乗る猫が登場しました。
要石を管理や後ろ戸を閉めていくのは代々草太の家系の閉じ師の仕事であり、全国の後ろ戸が開かないように旅をして閉めて回っていました。
サダイジンはなぜ抜けた?
そして不思議なのは、鈴芽がダイジンを追って東京の御茶ノ水まで来た時に、東京の要石であるサダイジンが抜けたことです。
ダイジンは鈴芽に抜かれないと要石の封印から解放されていなかったはずです。しかしサダイジンは人の手の力関係なくいきなり抜けていましたよね。
そして草太は『抜けたんだ!2つ目の要石が!』と言っていました。その前に草太の家に行って芹澤が来た時に一度目の地震、そしてミミズがトンネルから出たのを見た時に二度目の地震が起きていました。このタイミングで草太が二つ目の要石が抜けたと発言しました。
つまりサダイジンの要石が抜けた原因は地震ということがわかりますね。
そこで思いつくのが、ダイジンの要石が抜けた時のことです。映画冒頭の草太の言葉を思い出しましょう。『一時的に閉じ込めただけだ。要石で封印しなければ、ミミズはどこからかまた出てくる』です。
つまり、ダイジンの要石が抜けたことで、各地で地震が起き始めていたということだと思われます。二つ要石があるということは、片方が抜けては完全にミミズを閉じ込めてはおけないということだと思われます。
そして草太はこうも言っていました。『ミミズは日本列島の下をうごめく巨大な力だ。目的も意志もなく、歪が溜まれば吹き出し、ただ暴れ土地を揺るがす』です。もしかすると要石は大きなミミズの力は抑えられるけど、歪が溜まれば要石があっても小さなミミズは出てくるということなのかもしれません。
結論としては、サダイジンが抜けた原因は地震です。その地震を引き起こしたのは、恐らくダイジンが抜けたことにより、他の後ろ戸から出てきたミミズがその地震を引き起こしたというわけです。
サダイジンの登場解説
環さんは、鈴芽の叔母で4歳の時に地震で亡くなった母親の椿芽の代わりに鈴芽を引き取って宮城県から宮崎県へ連れていった人物です。椿芽の姉ということになります。
鈴芽がダイジンを追っていたことを知らずにいきなり家を飛び出して出ていったことから、環さんは心配して追ってきました。そして東京でついに鈴芽と出会うことができましたが、芹澤の車で道の駅にいた時に、環さんは鈴芽に重いと言われたことに対して『コブ付きなんて婚活がうまくいくわけがない』『私の12年返して』など鈴芽の面倒を見てきたことの苦痛を伝えてしまいました。
それに対して鈴芽も対抗して言い合いますが、鈴芽が環さんでではないことに気づき『誰?』と言うと後ろに巨大なク黒猫がいました。
ダイジンはそれに対して威嚇して揉み合いになりますが、結局は負けて咥えられてしまいます。サダイジンと名乗った黒猫はダイジンと仲直りしたのか普通に接しており、芹澤の車に乗ってついてきました。
その前に草太の祖父の病院にサダイジンが来て、『お久しゅうございますな とうとう抜けてしまわれたか あの子について行かれますか よろしくお頼み申す』と言っていました。なので、鈴芽の下まで着いてきたのかもしれません。ダイジンと違って要石の役目を放棄するのではなく、要石の役目を全うするためにダイジンに仕事に戻るようについてきたのかもしれませんね。
サダイジンはなぜ環さんに取り憑いて本音を吐き出させた?
では、なぜサダイジンは、環さんに取り憑いてあんな本音を吐き出させるようなことをしたのでしょうか?
サダイジンは実際に環さんに憑依していたかどうかはわかりませんが、環さんは自分が何を言ってしまったのかは記憶していました。なので、憑依ではなく感情だけ増幅させたなんてこともあるかもしれません。
ダイジンの場合は鈴芽に向けられる感情によってやつれたり、体がふっくらしたりしていました。これは、鈴芽が宮城の後ろ戸に入る際に、これまでダイジンが後ろ戸を開けてきたのではなく、後ろ戸がある場所を教えてくれていたとわかったので、そのことを感謝した時、ダイジンの体はふっくらとしました。
これを考察すると、ダイジンは向けられる+の感情によってパワーが得られるのではないかと思います。となれば、逆にサダイジンはマイナスのパワーを力にしたり送り出したりもできるのではないでしょうか?
そして、サダイジンは鈴芽にダイジンを引っこ抜かれて構ってもらったりしていたことを知って、嫉妬で環を操って鈴芽と喧嘩をさせたのではないかと思います。
なので、結論としては、環さんに本音を吐き出させたのは、鈴芽に抜かれて構ってもらっていたダイジンへの嫉妬が一番近い理由ではないかと思われます。
まとめ
今回話した内容は、既に発売されている小説版『すずめの戸締まり』を見ての考察です。なので映画で何度か見ただけでは理解できないかもしれません。
草太のセリフでの説明を小説で振り返ってやっと理解できてくる内容かと思われますので、内容に興味を持ったのであれば、ぜひ小説版の方も読んでみてみると面白いと思います。
サダイジンが草太の祖父の前に登場しなかったり、映画と小説版とでは違うシーンもありますけど、9.5割は映画と同じ内容かと思われます。