劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影」は2023年4月14日から全国劇場にて公開スタートした、ミステリーとラブストーリーといろんな面で気になる作品に仕上がっています。
最新鋭システム搭載の施設をメイン舞台に巻き起こる事件とともに、黒の組織vs.コナン陣営という派手な展開が待ち受けています。
黒の組織には絶対に隠し通さなければならない、灰原とコナン共通の子供化した秘密が暴かれようとされるスリリングな映画「名探偵コナン 黒鉄の魚影」について考察してまいります。
老若認証システムとは?
パシフィック・ブイという新施設に設置された世界中の監視カメラ映像とリンクさせて、警察が犯人を追跡する時など犯罪抑止にも役立つシステムが導入されました。
特にその中で重要な役割を担っているのが老若認証システムでAIを搭載しており、過去の姿から現在の姿を予測し捕捉していくという画期的アイデアが詰め込まれています。
老若認証システムは世界中の監視カメラ映像とリンクさせて顔認証することにより、今どこにいるのかなどその人物を特定して追跡することができる、世界中が欲すること間違いなしな巨大ネットワークになります。
灰原哀と宮野志保・コナンと工藤新一が特定される
老若認証システムが本人であればどのような姿になっていても捉えることができるため、調べられたらマズイ対象となるのが灰原とコナンです。
このシステムの開発者である直美は差別のない世界を作るために必要なシステムにあると考えており、まず探したのが自分をいじめから守ってくれた宮野志保の存在確認でした。
灰原哀になり幼い姿のままの現在の様子が老若認証システムに映し出され、それを直美自身のUSBに保管していたのをウォッカをはじめとする黒の組織メンバーに見られてしまい追い詰められていきます。
そしてコナンもパシフィック・ブイのエンジニアになりすましていたピンガに老若認証システムを利用され、工藤新一であることがバレてしまいます。
もうこれだけでもハラハラな展開なので、今作は常にドキドキです。
ピンガが正体を見破るもジンに沈められる
コナンが終盤追い詰めたグレースになりすました変装の名人・ピンガですが、ピンガの方もまたコナンが工藤新一であるという事実に気付いていることが発覚します。
その事実をコナンごと黒の組織に持ち帰り、姿を見られたコナンを始末し損ねたジンを失脚させようという魂胆でしたが、今までもコナンの正体を知ったピスコやキュラソーと同じように、やはりジンが見事に闇に葬るのです。
組織が使っていた潜水艦を自爆させることをピスコに伝えずに、それを知らないピスコがパシフィック・ブイから逃げ帰ったところ爆破が起こり海に沈むことになります。
ピスコに潜水艦が爆発するのを伝えたか問われた際に発したジンの「さあ、どうだったかな」は過去作品も思い返すようなシビれるセリフです。
烏丸蓮耶がベルモットに老若認証システムを潰せとメール?
もともと黒の組織がこのシステムに目を付けたのは、自分たちの過去から現在までのあらゆる痕跡を消去して存在を世に知らしめないようにすることでした。
ところが灰原が宮野志保であるという想定外の事実が浮上し、黒の組織が本来目的としていたこと以外の動きをすることになります。
そんな折、老若認証システムをつぶすようにベルモットへ「あの方」である黒の組織のボスから連絡が入ります。
すぐにベルモットはあらゆる世代の灰原になりすまし世界各地の防犯カメラ映像に映り込む行動を起こし、「クソシステム」とジンに印象付けパシフィック・ブイごと消滅させることに。
ラムは全然姿を見せなくなったボスの烏丸蓮耶を探すのに利用しようと企てていたりと、ボスにとっても脅威となる存在であったことを匂わせています。
まとめ
劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影」では自分の正体が黒の組織に知られてしまい、コナンたちと離れようとするいじらしい姿や、必死に生きようとする灰原の以前とは違った心情を映し出した場面を見ることが出来ます。
人生を変えてしまうような老若認証システムですが、灰原を守ろうとどんな逆境であろうと立ち向かうコナンの姿がより際立って2人の信頼という絆をより強めることができたのではないでしょうか。
これからはここが自分の居場所なのだとはっきりと分かった今作、今まで培ってきた灰原と周りとの距離がグッと縮まったのではないでしょうか。