アニメ2期の放送も決まった『精霊幻想記』ですが、ついに『精霊幻想記21.竜の眷属』が発売されました。
聖女エリカが襲撃してきたものの、最終的に高位精霊との大きな戦いとなり、それに勝ったハルト。しかし、アイシアと同化したことで、とんでもない影響が出ていました。
ということで今回は精霊幻想記21巻についてネタバレ解説と感想、考察をご紹介していきます。
『精霊幻想記21.竜の眷属』のネタバレ
エリカとの戦いの影響
聖女エリカと戦いを繰り広げ、勝ったハルト。しかし後方で見ていたラティーファたち全員が、あそこで戦っていたのは誰なのかと不思議に思います。
ハルトは聖女エリカを殺し、その亡骸をストレージに回収。アイシアに体を支えられながら、ひとまずここから離れたほうが良いとアイシアはラティーファ達と合流しないように言う。そんな時突如、目の前にあった石が光だし、勇者召喚が行われる。ハルトはその場から離脱しており、その召喚によって現れたのはセントステラ王国にいたはずの雅人とセントステラ王国の王女リリアーナだった。
美春や沙月が驚く中、今の現象を見て雅人が手に持っていた剣が神装だということがわかり、雅人が新たな勇者だと判明します。そして、雅人に状況を聞くも何もわからず、そして誰もがハルトの事を忘れており、どうやって互いに知り合ったのかなどあやふやになっていました。ひとまず雅人達の身柄を保護するということで、行動を共にします。
超越者と前世
アイシアと共にその場から離脱したハルトは、岩の家を設置し、風呂に入ると黒髪が白から元に戻らず、さらに目の色も赤くなっていました。アイシアは自分と同化したせいだと説明します。
人の身で超越者の権能を無理に使った影響だそうで、精霊契約のさらに上の結びつきである精霊霊約が行われたことによりハルトは一時的に人ではない存在になっていたとか。エリカに憑依していたの土の高位精霊だそうで、勇者達は賢神たちが勇者召喚の仕組みに組み込んだとか。
アイシアの話では、美春の前世は七賢神で追放された7人目の賢神リーナだという。今から1000年前に神魔戦争が集結した直後にリーナが自分の一部を切り離してアイシアは生み出し、転生する竜王とアイシアに霊約を結ばせたとか。
エリカが死んだのは、高位精霊と完全に同化できないよう六賢神が制限をかけていた為で、完全に同化すると高位精霊が肉体を乗っ取ってしまうからだそう。その理由は高位精霊たち六賢神を恨んでおり、一緒にリーナも裏切ったと思っているとか。
竜王と神魔戦争
ずっと昔に竜王と六大精霊、七賢神がおり、それが14の超越者だとか。そして竜王はハルトのことであり、リオの前世が天川春人であるように天川春人の前世が竜王だったそう。神が世界を創り超越者たちと世界を管理していたが、ある日を境に神は世界から消え、残ったのが14の超越者で、神はルールを創り、超越者たちが代わりに世界を管理することになりました。
しかし神がいなくなった事で世界は乱れてしまったので、七賢神たちが別次元に消えたとされる神を連れ戻そうと次元に孔を開ける研究を始め、別次元が存在することを発見します。しかしリーナだけは次元に孔を開けることの危険性から反対します。そこでリーナは幽閉されます。
そうしてついに次元に孔を開けることに成功したが、神魔戦争の始まりでした。次元の孔から魔の軍勢が押し寄せたことで、六賢神たちは人類に魔術と魔法を与え対抗させます。しかし六賢神の力でも決め手に欠けたために高位精霊と竜王の力を借りようと幽閉していたリーナを解放し協力させます。
リーナは高位精霊を説得し、高位精霊達は眷属の精霊達と一緒にシュトラール地方で戦うも、リーナが竜王の説得に成功した時、高位精霊が6体が消滅。正確には六賢神が勇者召喚のシステムを構築しその核に高位精霊を組み込んだからでした。リーナは高位精霊を解放しようとしたができず、リーナも高位精霊に恨まれているとか。
リーナと竜王はヤグモ地方とシュトラール地方に現れた魔の軍勢と戦い、神魔戦争は終結しますが、アイシアはどうやって終わらせたのか思い出せないという。そしてアイシアの中にある記憶はリーナの不完全な記憶を転写させたものだとか。ただ、リーナと竜王は転生してでも成し遂げたい何かがあったと語ります。
超越者のルール
超越者の力は世界を滅ぼす力を持つので、特定の個人や集団に肩入れしないようルールを定め、それが権能を行使する度に世界から存在を忘れられることだそうです。そして超越者は世界全体の利益の為に力を振るう必要があることと、正当防衛や超越者の役割を全うする場合も忘れられないとか。誰かに肩入れした場合、超越者自身も肩入れした人物のことを忘れることになるそう。
そのため、ハルトの事を忘れたであろうラティーファ達と距離を置いたほうがいいとアイシアは言っていたようでした。そしてエリカとの戦いでハルトは世界に超越者だと認識されたようでした。また眷属だけは超越者のことを忘れないそうで、1000年前には竜王に眷属がおり、いつでも呼び出せるとか。
竜王の眷属ソラ
そこでハルトは『いでよ、眷属』と試しに言ってみると突如空間が歪み、そこから一人の少女が現れます。お久しぶりですという少女はハルトが竜王だということがわかるそうで、眷属としての繋がりを感じるとか。そしてアイシアの事を七賢神のリーナだと見抜く。しかし正確にはハルトは竜王じゃないし、アイシアもリーナではないことを理解させる。少女はリーナの事を恨んでおり、神魔戦争に引きずり出したのがリーナだからだという。
そして少女はルールの抜け穴があると仮面を取り出し、装着している間は超越者に適用される効果を軽減してくれるものでした。仮面はリーナが作ったものだそうで全部で5個あり、効果が発動していると直に割れるとか。そして少女の名前はソラと言った。そして竜王の名前はリュオという名前だったそう。その名前はかつてカラスキ王国で聞いた話にあり、実はそれはソラが伝承を広めたんだとか。
ちなみに眷属は眷属になった瞬間から肉体的にも精神的にも成長が止まるそうで、ずっと10歳くらいだそう。ソラは元々人間で竜王に拾ってもらい眷属にしてもらったとか。眷属は忘却の影響を受けないが、眷属の数は最大で3人までで、その時点から世界の理から外れ家族との繋がりも断たなくてははいけないので、むやみに眷属にするのはお勧めできないそう。眷属にするには血肉を分け与えるそうで、ソラは竜王に血を飲ませてもらったとか。
ソラは竜王の影響を受けて角と尻尾が生え、竜人のようになり、肉体の他にも霊体を持つようになったよう。そして全身に霊体を纏えば竜にもなれるとか。竜王自身も竜の姿にもなれたようで、過去に竜王に加護を受けた種族が亜竜だとか。
リーナと美春
アイシアの話しでは、美春も記憶を失っており、もう超越者になれないとか。リーナが持っていた神性はアイシアが引き継いだ為に、その神性がないと超越者になれないそう。そして権能自体も美春は使えないとか。
リーナには未来を見通す権能があったそうで、そのためにこの時代に何か起きるとして竜王を転生させたようでした。
ソラによれば、高位精霊の眷属とリーナの眷属は知っており、ホムンクルスの魔道師とゴーレム2体がいるそう。そこで高位精霊のことなら時間があるときにドリュアスに聞こうという話になります。
転生術は転生先も全て指定できるようで、天川春人に転生させたことや綾瀬美春に転生させたことは何か理由があってのことだったようでした。
七賢神にはそれぞれ持つ権能の内容が違うようで、ソラによれば、リーナの未来予知に他には複写複製、分解解析、運命操作だが、あとは忘れてしまったそう。ただ竜王の権能は消滅だそうで、世界の脅威の排除と守護のために神が与えたとのことです。ソラによれば他の権能と真っ向勝負したら竜王の消滅に適う権能はないから竜王様は最強だと言う。
その後、ソラの実力を見るためにアイシアと模擬戦をすることになり、結果アイシアが勝つものの、相当な力だった。
ロダニア襲撃
セリアたちはハルト=アマカワという人物が記録にはあるのに記憶から消えていたことがおかしい事に気づきます。美春が名前を聞くと何かを思い出しそうになりますが、脳内に『無理に思い出す必要はない』と声が聞こえてきます。
そしてシャルルの身柄をセリアの家のクレール伯爵家の保護を目的にアルボー公爵に引き渡します。その後、シャルルに接触したレイスはロダニアにいたラティーファたちを襲撃します。目的はクリスティーナが持つレガリアであり、王位継承の際に必要なものだとか。そしてなぜかハルトの事を忘れていなかったレイスはこの自体に介入してくるのか見定めるつもりでした。
レイスが連れてきた勇者のレンジの氷の神装で圧倒的な力で攻め込みます。弘明が神装で対抗するもすぐに負けてしまいます。そんな時ハルトはソラからもらった仮面をつけて介入しレンジを倒します。一方別ルートで逃げていたフローラ達にはソラに救出に向かわせて無事救出し、ハルトと合流します。レンジとの戦いでハルトのつけた仮面にヒビが入ります。そしてその様子を見たレイスが撤退します。
ソラがリオ様と名前を呼ぶと、セリアがなぜかリオの事を思い出します。するとソラはセリアの顔と髪の色を見て、高位精霊の眷属であるホムンクルスの面影を感じ、これもリーナの見ていた未来なのかと驚きます。セリアの脳内に『今は全部は無理だけど、あなたに託すからあの子に渡しきれなかったものを』と聞こえてきます。ハルトはセリアの様子に自分だけ忘れ去られる存在に、誰かが覚えてくれていることに期待を膨らませます。
一方美春は雅人が勇者になったことで、その身柄をどうするかガルアーク王国に来たセントステラ王国との話し合いに参加すると、そこに千堂貴久が現れます。
『精霊幻想記21.竜の眷属』の感想
今回の巻は、精霊幻想記の物語の謎・根幹が語られた巻と言ってもいいでしょう。凄い内容でしたね。まさかこんなに大きな話になるなんてという感じでしたが、物語の流れからしてすごく納得の行く話でした。
今回の巻では書いてませんでしたが、ハルトも竜の姿になれたりするんですかね。あまり意味はない気もしますけどね笑
ソラのキャラデザも可愛いかったですし、七賢神や高位精霊たちのキャラデザも気になりますよね。
転生させた先のさらに転生先を指定するだなんて、リーナって人は凄いですね。
美春とアイシアの見た目が似ていたりするもの同じくリーナの転生先が美春であり、リーナが作り出したのがアイシアだからだったんですね。色々と伏線が繋がってきて凄い面白い巻でした。
竜王の名前がリュオで転生先の次の転生先の名前がリオだったのは面白かったです笑
そして最後の最後に出てきた千堂貴久ですが、まじでもう登場してほしくない人物です・・・笑
弘明もクソキャラでしたが、最近はなんかいい感じですよね。弱いですけど。レンジに対する中二病だという煽りは気持ちよかったです笑
『精霊幻想記21.竜の眷属』の考察
超越者関係の人物
今回名前が出た超越者関係の人物達をまとめると
リオ:竜王の転生体。権能は消滅
美春:七賢神リーナの転生体。権能は未来予知
アイシア:リーナが生み出し記憶を転写した精霊
ソラ:竜王の眷属
セリア:高位精霊の眷属
こんな感じでしょう。
恐らく他にも超越者に関係する人物が出てくると思われます。超越者関係の人物達は互いに忘れないでしょう。しかし超越者として覚醒しないとそれは発揮されないようです。
今回セリアは一時的に忘れていたのにいきなり思い出したというのも謎ですけど、何か理由があったのでしょうか。ソラが発言した通り、リオとハルトの出会いすらリーナの未来予知によって出会わされた未来だったのかもしれません。
超越者と権能
今回色々と新しい単語が出てきたので振り返りたいと思います。
●超越者
神によって作られた世界に存在する信仰される14の人物たち。一人の竜王、7人の七賢神、6人の高位精霊。
●高位精霊
6体の高位精霊がいる。勝手に勇者召喚のシステムに組み込んだ七賢神を恨んでいる。リーナは解放しようとしたができず、リーナ含めた七賢神が恨まれる。
エリカに宿っていたのは土の高位精霊。と考えるとレンジは氷、弘明は水ですよね。
●七賢神
世界の均衡を保つ為に神から権能を与えられた。7人目の名前はリーナ。神がいなくなった後に世界が乱れていった為に、神を呼び戻そうと次元に孔を開けるも、そこから魔の軍勢が来て神魔戦争が勃発してしまう。その為に人類に魔法と魔術を使えるようにした。
勇者召喚のシステムを作り、勇者は高位精霊の力を7,8までしか引き出せないようにした。全て引き出してしまうと高位精霊が肉体を乗っ取ってしまうらしい。
●竜王
七賢神とリーナの呼びかけで神魔戦争を終結させるも死亡?リーナに転生させられる。1500年前に人類同士の戦いで死にそうになっていたソラを拾い眷属にする。権能は消滅でソラが言うには最強。リオと性格が似ているらしい。
レイスの正体
今回の話で少し思ったのが、レイスは神魔戦争の時に別の次元から攻めてきた魔の軍勢の一人だったのではないでしょうか。こちらの世界が竜王によって最終的に勝利したとは言え、生き残りがいてもおかしくないです。
そしてこのレイスが今の時代に害をなす存在で、レイスが生き残っていることを未来予知で知っていたから転生だとか色々と仕掛けをしたのかもしれません。
レイスが超越者のルールに当てはまらずハルトのことを覚えていたのは、別次元から来た存在だからとかあるでしょうか。勇者召喚された人たちも一応は高位精霊と同化の割合が10割にできないので、超越者になりえないようですが、ルールに影響され続けてしまうのかもしれません。
まとめ
ということで今回は『精霊幻想記21.竜の眷属』についてご紹介しました。
ついに『精霊幻想記』の根幹となる部分の話が判明しましたね。
次回はセリアが高位精霊の眷属の生まれ変わりであり、超越者関連人物だったので判明してから、ハルトを認識できることから、共に過ごすことができるかもしれません。
次回の巻『精霊幻想記 22.純白の方程式』も楽しみに待ちましょう!