週刊少年ジャンプを発行している集英社が運営する漫画掲載アプリ『ジャンプ+』で連載され、ジャンプ+の人気を上げた名作SF漫画サマータイムレンダのアニメが大人気放送中です。サマータイムレンダは、和歌山県にある田舎の港町を舞台に、ひと夏の出来事を描いたSFアクションサスペンス漫画です。
主人公である網代 慎平は東京の高校に通うために上京していましたが、ある夏の日に故郷である日都ヶ島に帰郷したことで、何故か過去に戻るタイムトラベル能力である“タイムリープ”を獲得します。そして、“タイムリープ”能力を手に入れた時と時期を同じくして、日都ヶ島には本物の住人を殺して成り代わるドッペルゲンガーのような“影”が生息していることに慎平は気づきます。
密かに町の住人を殺していく謎の“影”の存在に、慎平は潮の妹である澪や、幼馴染の菱形窓と一緒に影について調査を開始します。そんな中、死んだはずの幼なじみの小舟 潮が慎平の前に現れます。
今回は好評放送中のアニメ、サマータイムレンダに出てくる死亡したはず潮の正体と、彼女がなぜ生きてるのか?そして、潮の影が記憶のない理由をネタバレを含めて解説していこうと思います。
小舟潮が死亡で葬式が挙げられる
サマータイムレンダは、主人公である網代 慎平が故郷である日都ヶ島に帰郷したことで物語が始まります。慎平が帰郷したのは、幼馴染であり、慎平の義理の家族である小舟 潮が海難事故で亡くなったことが理由でした。
潮の葬式に出席した慎平でしたが、そこで潮と同じく幼なじみの少年であり、島の病院の息子である菱形 窓(そう)から衝撃の事実を聞きます。それこそが、潮は何者かによって殺されたらしいという、衝撃的な事実でした。
しかし、潮の遺体には絞殺されたらしい痕が残っていたものの、潮が事故に遭ったその日には窓をはじめとして多数の目撃者が存在しており、その誰もが潮が死亡した瞬間は一人であったことを証言します。少しでも潮の死の謎に迫ろうとした慎平は、その結果、日都ヶ島に伝わる人間となり替わる謎の存在である“影”について知ります。
潮の死の謎に関わる”影”とは、日都ヶ島に江戸時代から伝わる謎の存在です。いわゆるドッペルゲンガーのようにもう一人の自分が存在しており、もう一人の自分を見たら死ぬと言われている伝説ですが、日都ヶ島ではその伝説のことを”影の病”という名前で伝えていました。
そして死亡した潮自身も、海難事故で死亡する以前に、妹の澪と共にもう一人の自分を目撃しており、それから数日後に海難事故によって死亡します。こうして、慎平は日都ヶ島に巣食う謎の存在である“影”と戦うべく、様々な調査を行っていく中で”影”によって殺害され、何故か過去の時間軸に戻ることのできるタイムリープ能力を獲得します。
タイムリープ能力によって、”影” についての調査を続ける慎平は、7月24日に行われる夏祭りに参加することになります。しかし、そんな慎平の前に、死んだはずの潮が現れるのでした。
夏祭りの日慎平は死んだ潮と再会
日都ヶ島の夏祭りの日、慎平は海岸で潮と再会することになります。しかし死んだはずの潮がいることと、人に成り替わる存在である”影”について知っている慎平は、彼女を受け入れることができません。
その一方で、関係者に潮の存在を明かすこともできず、一先ずその存在を隠すことにします。しかし、7月24日が夏祭りの日であることを知っている潮は、夏祭りを我慢しきれずについ参加してしまいます。
こうして、死んだはずの潮が生きているということが、幼馴染の窓や、潮の妹の澪にその存在を知られてしまいます。一方で、そんな夏祭りの現場には、澪を殺そうと付け狙っている澪の”影”をはじめとして、慎平などの様々な”影”が現れます。
今まで日都ヶ島で密かに住民に成り代わっていた大量の”影”たちは、その正体を現して虐殺を行います。そんな中、慎平は自分たち以外にも”影”の存在を知り、密かに戦っている人間がいることを知ります。
小舟潮が死亡も生きてるのはなぜ?
死んだはずの小舟潮が生きて慎平の前に現れたのは、慎平の前に現れた潮が”影”だからです。“影”は成り代わった人間の記憶をコピーし、完全に元の人間と同じ状態を再現します。
本来の”影”であればその姿をコピーした人間を殺し、その死体を消してその人間に成り代わります。然し、慎平の前に現れた潮の”影”は、本来の潮の死体を自分で消すこともなく、今まで潮として成り代わることもなく、人を傷つけることもせず、本物の潮のようにふるまいます。
また、”影”は、本来であれば自分が”影であること自覚しており、それ故に”影”は自分のことを”影”だと気づいた人間も殺します。作中では、潮の妹である澪だけでなく、潮が海難事故に巻き込まれた際に命を助けた少女である小早川しおりとその家族も”影”に成り代わられていました。
そして、小早川しおりの”影”は、潮の殺害を行った潮の仇とも言うべき存在です。しかし慎平の前に現れた潮は、そもそも自分が本物の潮であることを疑う事もない一方で、自分が海難事故で死亡した自覚も持っており、何故自分が存在しているのかを把握していません。
それが故に、慎平も目の前に現れた潮に対して、”影”であるという実感を得ることができず、一先ず潮を人目から隠すことになります。潮の死の謎と、日都ヶ島に潜む恐るべき”影”、そして新たに目の前に現れた潮の存在により、慎平が巻き込まれた事件はますます謎を深めていきます。
死んだ小舟潮の正体や影の記憶がない
慎平は、潮の死の謎と”影”について調べていく中で、潮が生前、小早川しおりと同じ姿をした”影”の存在を知り、自分が死ぬことを予期して自分のスマホを慎平に遺していたことを知ります。その為、潮の死は単なる殺人では無く、”影”を始めとする日都ヶ島の闇に隠された数多くの謎に絡むものであることを慎平は知ります。
そんな中慎平の前に現れた潮は、状況に照らし合わせれば潮の”影”であり、本来ならば人間と敵対する存在です。しかし、潮の”影”である筈の存在は、なぜか記憶を失い、自分が”影”であることすらも理解していないようでした。
また、潮の”影”が無くした記憶は、潮が小早川しおりの“影”の存在を知り、海難時間で死亡するまでの数日間にわたる内容であり、慎平にとっては信頼していいのかどうかの判断が非常に難しい状況でした。その一方で、潮の”影”は潮の姿だけでなく、潮の記憶と人格までもを完全にコピーしており、慎平にとっては潮が蘇ったかのような状況でもあります。
その為、潮の”影”に対して、非情な判断を下すことができず、彼女を手にかけることはできませんでした。しかし同時に、彼女が現れたことにより、慎平が過ごすことになる日都ヶ島の夏はここからますます深い闇に覆われていくことになります。
影の小舟潮の今後のネタバレ
慎平の目の前に現れた潮の影は、潮が死ぬ数日前にオリジナルの潮と打ち解けた”影”であり、潮と共に日都ヶ島に巣食う謎の”影”と戦っていた、いわば本当の意味でのもう一人の潮です。そのことを知った慎平は、オリジナルの潮と区別するために、“影”の方の潮をウシオとカタカナ表記にすることで区別しています。
ウシオは、日都ヶ島に巣食う通常の“影”とは違い、人間に対して危害を及ばさない、言うならばバグを起こした存在であり、それ故にオリジナルの潮を殺すことなく打ち解けることができました。そして、最大の特徴として、慎平がタイムリープすると、慎平と同様に未来の記憶を持って過去に戻ることができます。
本来の潮と打ち解けたウシオは、“影”に命を狙われた小早川しおりを護るために協力することになりますが、その戦いの中でオリジナルの潮は死亡してしまい、ウシオ自身も記憶を失ってしまっていました。そして、”影”との戦いの中でその危険性に気づいていた二人は、もしもの時の為に慎平に自分たち二人の戦いの記憶を遺すべく、スマホにそれまでの記録を残して慎平に遺品として託していたのでした。
オリジナルの潮の意志と、“影”とは言え潮の精神を引き継いだウシオは、その後、慎平たちと共に日都ヶ島の闇に潜み、人を殺していく“影”を倒す為の強力な味方となります。新たに心強い味方を慎平ですが、それにより事態はますます複雑で混迷化していきます。
まとめ
幼馴染の謎の死を発端として、人と成り替わって密かに人を殺していく謎の”影”と戦うことになった慎平は、何故か手に入れてしまったタイムリープ能力を駆使して、故郷の闇に巣食う謎の存在と戦うことになっていきます。その一方で、そんな影の力を通して再開した幼馴染のウシオは、慎平よりも先にこの謎に触れ、それが理由で殺されていました。
また、影の存在について知っているのは慎平だけでなく、慎平以前から日都ヶ島に巣食うこの謎の影と戦う者もいます。そんな人たちからの協力によって、徐々に影に対して対抗する手段を整えていく慎平ですが、その一方で、島には、影と密通し協力している人間も存在しています。
影の目的や正体など、様々な謎に取り囲まれていく慎平ですが、物語も戦いもまだ始まったばかりです。今まで闇に隠されてきた島の謎はこれから徐々に明らかになっていきます。
ひと夏を繰り返す謎と伏線に満ちたSFタイムアクションは、まだ序章を迎えたばかりです。これから様々な謎と伏線が明らかにされ、さらなる敵が慎平の前に立ちはだかります。
そんな強大な敵対して、慎平たちはどのように立ち向かっていくのか?これから放送されるサマータイムレンダの続きに乞うご期待ください。