羅漢の鳳仙の身請け何話で梅毒死亡!猫猫の母親父親【薬屋のひとりごと/ラカン/フォンシェン】

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「薬屋のひとりごと」は、小説投稿サイト「小説家になろう」で2011年から連載中の中華風ミステリーファンタジーです。2014年には「ヒーロー文庫」にて書籍化されており、2017年には「月刊サンデーGX」と「月刊ビッグガンガン」でコミカライズ版が連載されるなどファンからは高評価を得ています。

なかでも個性あふれるキャラクターたちが多いのは、当作品の魅力のひとつと言えるでしょう。今回は、当作品の主人公・猫猫(マオマオ)の両親である羅漢(ラカン)と鳳仙(フォンシェン)についてご紹介していきます。



目次

猫猫の父親母親は羅漢と鳳仙

猫猫(マオマオ)の父親は羅漢(ラカン)、母親は鳳仙(フォンシェン)です。彼女がおやじどのと呼んでいる羅門(ルォメン)は養父で、猫猫から見ると大叔父(羅漢の叔父)にあたります。羅漢が遊説に出されている間に猫猫が誕生して羅門が育てることになったものの、猫猫自身も羅漢が実の父親であることは知っています。

羅漢には人の顔を識別することができない「相貌失認(そうぼうしつにん)」の症状があり、きちんと識別できるのは鳳仙と猫猫くらいです。そのため、娘を溺愛しているものの愛情表現の仕方がよくないようで、猫猫は思春期の女の子が父親を邪険にするのと近い感覚で苦手意識を持っています。

母親の鳳仙は緑青館の妓女(ぎじょ・日本でいう遊女のこと)で、男に媚びることをせず愛想がいいとは言えないものの美人で人気でした。羅漢はそんな彼女のもとへ碁の勝負をするために頻繁に通っていたものの人気の妓女ゆえ3か月に一度ほどしか会えなくなり、やがて他の男性に身請けされる話が持ち上がります。

羅漢を愛していた鳳仙はその身請け話を破談にするために羅漢と男女の関係を持ち、このときに猫猫を身籠りました。猫猫は彼女を母とは呼びませんが、母親が鳳仙だということは分かっているようです。


鳳仙は猫猫を産んだ後に梅毒になり隔離

梅毒とは性感染症のひとつで梅毒トレポネーマという病原体によって発症し、主に遊郭などの花街で流行することが多いです。性行為によって皮膚や粘膜の小さな傷口から感染することがとても多く、妊娠中に感染すると母子感染によって先天梅毒を持った子供が生まれることもあります。

猫猫の妊娠や身請け話の破談で妓女としての価値がなくなり緑青館の信用を落としてしまった鳳仙は、身体を売ることでしか収入を得られなくなってしまいした。花街には性病を持った男性もたくさん訪れており、そんな状況で不特定多数の客と性行為に及んだことで梅毒に感染してしまいます。

ちなみに、猫猫には先天梅毒の症状が見られないため鳳仙が梅毒に感染したのは出産後だと推測できます。作中では早期に発見できれば治療できる病とされていて、羅門が緑青館を訪れた際に症状が出ていることを伝えていれば鳳仙も適切な治療を受けることができたでしょう。

しかし、鳳仙を含めた妓女たちは突然現れた羅門を信じることができず、適切な治療が受けられないまま病は悪化してしまいます。ついには目に見えて分かる症状が出始めたため鳳仙は客の目触れないよう隔離され、以来ずっと奥まった部屋で病床に臥せることとなりました。


羅漢の鳳仙の身請けは小説漫画何巻?『鳳仙花と片喰』

猫猫と名実ともに親子になるか緑青館の妓女をひとり身請けするかを賭けて猫猫と碁の勝負をした羅漢は、妓女の梅梅(メイメイ)を身請けしようとします。ところが梅梅は彼を鳳仙に引き合わせ、2人は17年ぶりの再会を果たしました。このときすでに鳳仙の梅毒は末期まで進行しており、身体も知性も以前の彼女とは違いました。

それでも羅漢は、涙を流しながら鳳仙を身請けすると宣言しました。羅漢にとって鳳仙は梅毒に侵されて自分のことが分からなくなっても誰よりも鳳仙花のように美しいと思っており、是が非でもそばにいてほしい存在であったからです。

身請けされた妓女は本来妾(めかけ・愛人のこと)として扱われますが、羅漢は鳳仙を正妻として迎え七日七晩祝いの宴を開きました。このエピソードは、原作小説の2巻19話「爪紅」20話「鳳仙花と片喰」で描かれています。

また、コミカライズ作品の「月刊サンデーGX」版は7巻57話~59話、「月刊ビッグガンガンコミックス」版は8巻37話~39話の「鳳仙花と片喰 」でした。掲載されている媒体によって多少ズレは生じますが、サブタイトルはどれも同じなので目印になるでしょう。


鳳仙は羅漢に身請けされた後に死亡

夫婦になった羅漢と鳳仙は、以前勝負がつかなかった試合の続きを打ちながら穏やかに過ごしていました。どれだけ碁が好きなのかとも思いますが、男女の睦ごとが終わってすぐに「碁が打ちたい」とつぶやいていた鳳仙なので趣味に興じて過ごした余生と言えるでしょう。

羅漢は鳳仙を妻として迎えられたことがとても嬉しかったようで、晩年の彼女と打った棋譜を本にして大量に出版・販売するほどです。17年という歳月を経てようやく結ばれた2人ですが、鳳仙は身請けされた翌年の春に息を引き取りました。

羅漢が遊説に出て会えない時期と鳳仙の妊娠発覚が重なり一時は不幸なすれ違いをしてしまいましたが、彼女は愛する人と最期に幸せな生活を送ることができたでしょう。羅門が失脚したことのばっちりを食らい、この遊説に出されるということがなければ羅漢は鳳仙をすぐにでも正妻として迎えるつもりでした。

事実、人の顔が囲碁や将棋の駒に見えていた羅漢が初めて人間の顔として識別できたのが鳳仙で、彼女のことを特別に思っています。また、彼女の死後自分の親に会った際にドン引きされながらも鳳仙の遺髪を見せて妻だと紹介しているぐらいです。


まとめ

今回は、「薬屋のひとりごと」の主人公・猫猫の両親である羅漢と鳳仙についてご紹介しました。17年という長い歳月をかけてようやく結ばれた2人でしたが、不幸なすれ違いがなかったらどれほど幸せな人生を送れていたことでしょう。

鳳仙が病に侵されて変わってしまっても羅漢は変わらず彼女を愛して正妻として迎え入れ、ずっと止まっていた2人の時間が再び動き出しました。また、猫猫が望まれて生まれてきたことも分かったので本当によかったと感じます。


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