薬屋のひとりごと祭事事件解説と祭具落下黒幕ネタバレ!食中毒・倉庫ボヤに翠苓の曼荼羅と朝鮮朝顔【壬氏暗殺未遂事件】

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人気アニメ「薬屋のひとりごと」に登場する壬氏は、祭祀中に祭具が落ちてくるという暗殺未遂を受けます。すんでのところで猫猫が助けたため無事でしたが、犯人たちは祭具を落下させるためにさまざまな仕掛けを施していました。

今回は、壬氏暗殺未遂事件の詳細についてご紹介していきます。ネタバレを含みますのでアニメや原作を未チェックの方はご注意ください。





目次

祭事事件解説

祭祀の儀式が行われているところ、天井から吊り下げられていた柱が落ちてくるという事件が起こります。柱が落ちてきたのは偶然ではなく、下で祈祷していた壬氏(ジンシ)の命を狙って翠苓が共犯者とともに行った犯行でした。

実はこの事件は柱が落ちた一件だけでなく、事件が起こる遥か前からいくつもの罠が仕掛けられていました。そのすべてが祭祀の場で壬氏を暗殺するための布石で、綿密に練られた計画的な犯行だったのです。

まずは、壬氏の暗殺未遂事件に関連する事件と翠苓(スイレイ)たちがその事件を起こした背景についてまとめてみました。浩然(コウネン)の殺害や彼の後継者の食中毒による死亡、倉庫のボヤ騒ぎや彫金細工師の殺害など詳しくご紹介していきます。



祭具の管理者だった浩然の食中毒死

壬氏の暗殺未遂事件が起こる前年、祭事を司る礼部(れいぶ)という部署で長を務めていた浩然(コウネン)が酒宴の席で突然亡くなりました。死因は当初酒の飲みすぎによるものとされていましたが、壬氏からの依頼で猫猫が調査したところ彼の酒に大量の塩が混入されたことによる中毒死であることが判明します。

浩然は味覚に異常があったため、塩の混入に気付かずに酒を飲んでしまったようです。塩を混入させた犯人については他の官による嫌がらせである可能性が高いとされていましたが、その人物が誰であるかは分からないという結末を迎えます。

壬氏の暗殺に際して祭具を落下させるためには、細工しやすいように祭祀や祭具の管理体制が杜撰になる必要がありました。そのため、祭祀を管理している浩然に大量の塩を盛り、嫌がらせに見せかけて中毒死させたのです。



浩然の後継者のなますの食中毒での死亡

浩然の後任としてとある官僚が礼部の長が就任しましたが、食中毒を起こして昏睡状態に陥ってしまいます。テトロドトキシン(フグ毒)が原因と思われましたが、調理を担当した料理人が「フグは使っていない」と主張したため猫猫が調査にあたりました。

その結果食中毒の原因は海藻であり、倒れた官僚の弟が企てたことだと判明します。しかし、この弟に毒性のある海藻のことを教えた「酒場で隣の席に座っていた客」はまだ判明していません

この食中毒事件のポイントは、食中毒を起こした官僚が浩然の後任であったことです。礼部の長で祭祀の管理者が立て続けに倒れたことで祭具の管理を行う責任者が不在という状況になり、祭具を落下させるための細工の機会を作りやすくしました。



倉庫ボヤ事件と翠苓の煙管に祭具の窃盗

祭具を保管していた倉庫の倉庫番が小麦粉の保管場所でタバコを吸い、その火が小麦粉に引火して粉塵爆発を起こしてボヤ騒ぎが起こります。ボヤの原因になった煙管は上等な品だったため、騒ぎの後猫猫は手入れをして倉庫番に返しました。

ところが、その煙管はボヤの直前に翠苓と思われる官女から貰ったものだったことが発覚します。一方、倉庫ではボヤ騒ぎによって警備が薄くなっていたのを見計らって祭具の窃盗事件が起きていました。

通常であれば盗まれたらすぐに気づけたでしょうが、祭具を管理していた浩然も彼の後継者もいなくなってしまったため窃盗に気付くのが遅れます。そのため、祭祀の日が近づいて代替品が準備されてもその十分な安全確認までは手が回らなかったのでしょう。



彫金細工師の死亡と祭具の作り直しは三人兄弟の秘伝の技術

宮廷御用達だった彫金細工師が、思わせぶりな遺言だけ残して跡継ぎの指名はしないまま亡くなりました。猫猫の推理によって箪笥の中に彼が遺した「秘伝の技」のヒントを見つけ、後を継ぐのは末っ子になりそうな流れになります。

長銀細工師の秘伝の技とは、「低温で溶ける特殊な金属の製法」でした。先述のボヤ騒ぎで盗まれた祭具の代わりに、亡くなった彫金細工師が作った「秘伝の技で作られた特殊金属の祭具」が祭祀に使われることになります。

これによって上手く事故に見せかけることはできますが、事故後に彫金細工師へ聞き取り調査されたら溶けると分かっていて注文したことがバレてしまうかもしれません。そのため、彼の口を封じるために職業病の鉛中毒に見せかけて彫金細工師を殺害しました。



祭事の祭具が落ちて壬氏が死にかける

そして迎えた祭祀の当日、祭具の近くでは火が焚かれていたため祭具の素材に使われた金属が溶け出して壬氏の上に落下します。翠苓は、こうして管理体制の不備による不幸な事故に見せかけた暗殺トリックを完成させました。

猫猫が気付いて現場に駆け付けたことで壬氏はすんでのところで事なきを得たため、翠苓による壬氏の暗殺は未遂に終わります。暗殺未遂事件の後、浩然の中毒死や倉庫のボヤ騒ぎがすべてがつながっていたことに気付いた猫猫は彼女の知識や度胸に敵ながら感心していました。

ちなみに、この暗殺未遂は市井での出来事です。そのため、後宮から出にくい翠苓のほかにも動きやすい共犯者がいたことが考えられます。



祭事事件の実行犯は翠苓も死亡

翠苓(スイレイ)は、外廷で勤務していた長身の女官です。彼女が初登場したアニメの第13話では、薬草摘みをしながら軍部の近くまでやってきた猫猫に釘を刺している姿が描かれていました。

そのとき、猫猫は翠苓から独特の苦味を帯びた薬草と白檀の香りがしていることに気付きます。また、アニメでは描かれていませんでしたが、猫猫は原作小説の2巻第1話で彼女のことを「面倒くさいけどとりあえず徒党には加わっておいたほうがいいタイプ」と評していました。

外廷の医局に出入りしながら医局の近くで薬草を育てていた翠苓は毒や薬学に精通しており、彼女の薬草畑を猫猫が見つけたときはこの場所に「蘇りの薬」を植えていると話していました。そんな翠苓ですが、壬氏の暗殺未遂を起こした後に服毒自殺しています。



翠苓の遺体すり替えに曼荼羅と朝鮮朝顔に復活

壬氏暗殺未遂事件を起こした後服毒自殺した翠苓ですが実は生きており、死んだように見せかけて逃亡していました。猫猫に話していた「蘇りの薬」を自ら調合して服用し、本当に心臓の鼓動を止めて検死を担当した医官の目を欺いたのです。

検死の後、遺体安置所で息を吹き返した翠苓は仲間が助けにくるのを待ちます。そして、棺を運ぶ業者を装った仲間が身代わりになる死体と彼女が業者に紛れるための服を持参し、遺体を運び出すのに紛れてうまく外に逃げおおせました。

自らの足で歩いて葬式場から抜け出してから消息を絶っていた翠苓ですが、宦官に変装してこっそり後宮に戻ってきます。誰も宦官が翠苓の変装だとは気付かず、素知らぬ顔で過ごしていました。



黒幕は楼蘭妃(子翠)と子の一族で壬氏暗殺未遂

壬氏の命が狙われたのは、宦官だからというより「現皇帝の実弟」だからだと思われます。実際に彼の暗殺未遂に関わる事件を仕組んだ翠苓は子翠(シスイ、楼蘭妃)の腹違いの姉であり、楼蘭妃(ロウランひ)は母親である神美(シェンメイ)が受けた仕打ちの復讐として上級妃たちに毒を盛っていました。

出生当時母親が同時期に生まれた皇太后の子と自分の子を入れ替えるという出来事が起きていたため、実際には壬氏は「現皇帝の実子」にあたります。現皇帝の子や実弟にあたる人物が命を落とせば将来的にその血を引いた後継者ができず皇帝の家系は途絶えると考え、妹を可愛がっていた翠苓は彼女の復讐に加担したのでしょう。

このような反逆を起こして皇帝の家系を潰そうとした結果楼蘭妃は自ら命を絶ち、子の一族のほうが根絶やしになりました。そのため、子の一族として皇帝を貶めようとしたというより、単純に楼蘭妃や神美の恨みを晴らすために個人的に行ったことと考えたほうがいいかもしれません。



まとめ

今回は、「薬屋のひとりごと」の壬氏暗殺未遂事件についてご紹介してきました。浩然の中毒死からボヤ騒ぎに至るまで、そのすべてが壬氏を暗殺するための伏線でした。

事件を起こした翠苓は左手に麻痺が残ったものの、逃げるために服毒して自らの死を偽装するというのはもの凄い度胸です。ちなみに、事件の証拠は何ひとつ出ていおらず、検死官の判断により翠苓は死亡したとされているためほぼ完全犯罪であると言えるでしょう。



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