今回は小説家になろうの9章最新話時点でのアルの正体についてまとめてみました。
ちょうどアニメ3期のブレイクタイムにて、アルがスバルと同郷、つまり日本出身だと告げる場面がありました。しかし、9章や特典を見た人にとっては、よく言えたもんだなという心境でもあります。
最新話のアルの行動はスバルを封印
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現在小説家になろうでは9章序盤までが描かれておりそれは39巻として書籍化されています。
その内容はプリシラがスピンクスを倒すために死亡し、アルが仕える人がいなくなった結果、本来の自分の目的を遂行しようと動き出します。
その結果、プリシラの『死者の書』を見たいという理由付けで監視塔へ向かう人材をアルが死に戻りしつつ選定。
監視塔内で油断させたところでアルは対魔女用の魔法『オル・シャマク』を発動し、ベア子ごとスバルを封印、小さな黒い球にして、最後には口の中へと飲み込みます。
それを知ったエッゾとガーフィール、フラムが戦った結果、最後にはアルが頂上のボルカニカに自分の死者の書を読ませます。中身が空っぽだったボルカニカは中身がアルとなり神龍アルデバランとして二人のアルが存在することに。
メィリィとペトラには手を出さずにエッゾとガーフィールを手当させに行かせます。
塔から出たアルと神龍アルデバランを待ち構えていたのは、フラムの念話の加護の内容をグラシスから聞いたラインハルトでした。現在はここまでで投稿が終わっています。
ここではスバルがアルの目的には邪魔ということで、死に戻りをさせず封印して盤面から除外したという経緯になっているかと思われます。
アルの正体
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では、最新話時点でのアルの正体について。
8章のボスであるエキドナが不老不死を求めて作り出した失敗作であるスピンクス。彼女はエキドナの魔法を使えるが中身が不完全だった存在でしたが、8章ではついにエキドナの姿として顕現します。
そのスピンクスがアルに対して言ったセリフ。
「あなたは、ワタシと同じモノですね」「自分の造物目的を果たせず、そのために生き足掻く殉教者」
スピンクスはエキドナに造られた存在です。つまりこのセリフの意味はアルもエキドナに作られたということです。この時点でスバルに言った同郷というのは嘘ということになるのではないかと思っています。
アルの造物目的
Selon Tappei Nagatsuki, l'Arc 9 sera consacré à Aldebaran. Il précise aussi que son ton sera radicalement différent des précédents. #ReZero #リゼロ pic.twitter.com/Yfh97jHcl4
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ではなぜアルはエキドナに造られたのか。それは書籍38巻にだけ加筆されたプロローグ『アルデバラン』というタイトルの話があります。
結論から言えば『嫉妬の魔女を殺すこと』がアルの造物目的になります。
嫉妬の魔女と言えば、嫉妬の魔女因子取り込んだサテラが、別人格で暴走し世界の半分を呑み込んだという話だったと思われます。
現在は監視塔の先の祠で封印されており、生きています。
エキドナはこの嫉妬の魔女を殺すためにアルを造ったのではないかと思われます。ちなみにスバルは茶会で会ったサテラに『絶対に君を救って見せる』と言いました。
アルとは真逆なんですよね。だからアルは真逆の思想を持つスバルを封印したのではないでしょうか。
また、39巻の特典SS『NO STELLA NO LIFE①』の最後には『全てはアルデバランが生まれ落ちた意味、その理由を成し遂げるための準備,いずれ来たる星を追い越す日へ至るための那由多の石積のスタートだった』とあります。
これも、スバルを追い越して嫉妬の魔女を殺すためということなんでしょう。
アルデバランの名前
Satella
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先程のプロローグ『アルデバラン』では、エキドナがアルデバランという名前の名付け親ではないかという描写と後追い星という意味があるという話をします。
そして既にアルは目的に失敗し、エキドナにほとんど見限られた状態になっており「ボクたちの期待を一身に背負ってそれを裏切った君に対する皮肉が利きすぎた名前だと思わないないかい?」と言います。
ここでアルは期待されている役割も果たさなくてはならないプロセスもちゃんと入っている。あとは実践するだけ、うまくいくまで何百、何千、何万、何億。必ずやり遂げる「オレが必ず——お前を殺してみせる」と言います。
そんなアルにかけたエキドナの慰めの言葉。後追い星に相応しい自分の運命を慰める言葉。それは「星(菜月・昴)が悪かったんだよ」です。
つまりこのアルのセリフは。スバルが悪かったんだという意味で使われていたということですね。全部がそうではないにしろ、その意味を孕んでいたということになります。
スバルのコピー
そして、さきほどの特典SSでは、茶会に何度も来ていたアルの話が描かれます。そこでは「同じ起源の持ち主なのにどうしてこうも成果に違いが生まれるのかは真剣に悩むな。生まれの早い遅い、環境の違い、目的意識の大小など要因は色々考えられるが……」とエキドナが語ります。
この「同じ起源の持ち主」というのはいくつかあって、同郷だからもしくはスバルから造られたからという意味に聞こえます。
でも、ここではスバルから造られたという意味で合っていると思います。
また、茶会のように世界を一つ作るような所業ができる魔女にも果たせなかった大望を一個人にやらせようなんて正気の沙汰ではないとアルの心情があります。これはエキドナが嫉妬の魔女を殺せなかったということでしょう。
また、エキドナはこの場所でアルに魔法を教えていました。どの魔法を習得するかの話でアルは土属性をと答え、その理由に「土やら石やら一番小回りが利く。地味でせこくて最高だね」と言います。
だからアルはドーナを使えたんですね。また陰属性の才能の全てはいずれ教える禁術の習得と行使のために費やしてもらうとのことで、これが『オル・シャマク』だったというわけです。
そして土属性についてのことをエキドナは聞いて「その理由と選択が実に『彼』らしいなと関心したんだよ。望むと望まざるとに拘らずして、君もまた体系化された『彼』らしさを受け継いでいる」と言いました。
さらにアルの強欲さはエキドナがそうした、と言っています。
この彼とはもちろんスバルでしょう。このような条件やスピンクスの話からもスバルを基に造られたのがアルデバランという存在だと裏付けていると思われます。
ただ、パックやベア子などとは違い、精霊なのかどうかなどはわかっていません。それにパックは元人間だったという描写がなろうにはあるので、無から有としてアルを作り出したのか、もしくはパックのように作り替えられたのかもわかっていません。
さらに、この育成プランに関してエキドナは「そういう役目を彼らと友人たちにボクが任されているのでね」と言います。友人は魔女たちですけど、『彼ら』とは気になります。400年前のフリューゲルやレイドたちのことなのか。
そして、不思議なのはこの時点でまだスバルは4章のようにエキドナの茶会には絶対に来ていない時系列なんです。なのに、なぜスバルを投影したような発言をしているのか。
これはもうスバルがフリューゲルだった、としか言えないのではないでしょうか。シャウラもスバルをフリューゲルだと匂いで勘違いしていましたし。
ちなみにこの時『彼』についてのことを言われピキッときたアルはエキドナに『先生』と呼び始めます。
エキドナは苦い過去の記憶と結びつくと言うと、アルはだから先生って呼んでんだよ言いました。アルの先生呼びはここからなんですね。
アルの権能
そして、アルの権能ですが、不可視のフィールドを作り出し、その中でなら死に戻りできるといったもののようです。
被害者と加害者があり、死に戻りを相手が覚えているか自分が覚えているかの違いです。これは相手との力量で判断されるという考察もありますが、個人的にはランダムなように思えます。
そしてアルにはスバルの死に戻りのようなペナルティはありません。
外伝『赫炎の剣狼』にて、剣奴女帝ホーネットと戦った際、
「試行回数七百十三回。今夜オレはお前に七百十三回殺された」「いや最初の闘技場の戦いを入れたら七百九十二回だ」
と言いました。
ホーネットに自分が殺された回数を伝えています。はっきりとここまで言ってしまえば、スバルであれば、死に戻りのペナルティで嫉妬の魔女が襲来するはずです。なのにアルはペナルティは起きませんでした。となれば嫉妬の魔女と全く関係ない権能と言えるでしょう。
また、先程の特典でエキドナは「ここで過ごす時間はそれなりに現実よりも引き伸ばせるけど、それでも無限というわけじゃない。君の権能を以てしてもね」と。
この言葉ですけど、アルがまだドーナを使えない時系列なので、アルの領域展開の権能は最初期から持っていたのではないかと思われれます。
ただ、権能と言っているあたり、まだ判明していない傲慢の権能なのかもしくは別の権能です。でも魔女因子由来でないとこのレベルの権能は使えないと思っています。
そしてエキドナは『魔女因子は分け与えることができる』という事を言っています。なら、アルの権能は誰かから分け与えられたものという線もあります。
それなら、エキドナ由来の強欲の権能とかあり得るでしょうか。何度死んでもやり直すって、強欲っぽい印象なんですけどね。でも、現世での強欲の魔女因子はスバルが持っています。そこが辻褄が合わないところですが、茶会で会っているエキドナなら、夢の世界で分け与えることができる。
もしくは、スバルが召喚される前の時系列で、自分が動いたループのなか、レグルスを倒して強欲の魔女因子を獲得できるとかもあり得るでしょうか。別次元の存在なら、同じ魔女因子を持っていてもおかしくないとは思います。それなら嫉妬の魔女因子も、ですけどね。
これまでのアル
箇条書きしますが、先程までのアルの正体を知った上でこれまでのアルの不可思議なことをまとめた以下を読んで見てください。
・5章で対話鏡で話したアルにエミリアはスバルと似た雰囲気を感じた
・5章でガーフィールがスバルの匂いを追って探した先にいたのはアルだった
・5章でアルがテュフォンのことを知っていた
・5章で暴食に本名を聞かせるなと会ったことがないはずなのに権能の条件を知っていた
・外伝『赫炎の剣狼』の8年前ほどの時系列でプリシラと出会う前の剣奴孤島で「世界最強は今頃ランドセルを背負ってる」と、まだラインハルトが小さいはずのにいずれ最強になることを知っている発言
・外伝『赫炎の剣狼』で銀髪のアラキアに『ユーアーウェルカム』と言ったあと『何言ってるのかわからない』と返されたことで『その返しで百点満点だ』と明らかに銀髪のアラキアを通してエミリアを見ていたこと
・7章ではスバルをなぜか英雄にしようとしていた
・スバルしか呼ばない『ベア子』呼びをした件
・1章部分の特典SS『ラムのナンパお断り』で出会ったラムに対し「じゃぁな。ラム」と郷愁帯びた声でアルが別れを告げる描写があったこと、名乗っていないラムの名前を知っていたこと
・プリシラの屋敷の前で会ったレムに『ラムだろ?』『冗談じゃねぇ』と怒りの形相を向けた件
・短編集3『陽光水面を照らして』にて、アルが見た幻影が嫉妬の魔女で『幾千、幾万、幾億、無理だったから。今だって無理に決まっている』と何度も殺そうとしたような描写。さらに今でも恐れている描写。しかもその幻影をプリシラが斬り伏せると『なんてことしてくれんだ。オレの前でよくも』とプリシラに怒ったこと
・剣奴孤島で片腕をなくしたこと、なぜか剣奴孤島に10年もいたこと
これを踏まえるとどう見ても、一度以上は今のスバルが体験したようなループを辿っています。また、アルは何億回も嫉妬の魔女を殺そうとしたができなかった。そして一度はそのルートを諦めてプリシラの騎士になった。でもなぜプリシラを選んだのかは謎です。
アルが生まれ落ちたのは400年前ではないと思われます。8章でスピンクスの存在を知らなかったことからも、それは確実でしょう。
現在40歳手前のアル。スバルと出会った当時は18年前に召喚されたと言っていました。
これが本当なら、20歳前後の年齢でエキドナに作り出されたということになります。
そこからスバルと同じようなルートを何度も経験していったということが考えられますが、もしそうなら、どうやってループしていたのかが謎です。アルの権能はスバルのように長い時間ループするものではないはずですからね。
また、まだ存在していないスバルのことを知っていることも不思議です。
やはり400年前の過去に飛んだスバルがフリューゲルとなって生きていたとか、自分がこれからくるスバルの記憶を保持しているとか。そういったことでしか片付けられない内容だと思っています。
まとめ
ということでまとめます。
・アルは恐らくスバルを模倣して造られた存在
・まだ存在していないスバルをどう模倣したのか謎で、400年前にループしフリューゲルとしてエキドナと会っていた可能性
・アルの目的は嫉妬の魔女を殺すこと
・アルの育成は魔女たちに加えて『彼ら』にも任されている
・創造主に造られたはずがベア子とは違い、エキドナを嫌っている
・嫉妬の魔女殺しを諦め、プリシラ陣営に入った
・アルが何億回死んでも精神に異常がないのは、エキドナに造られたからの可能性
・何億回もチャレンジして目的を遂げられないアルにエキドナは呆れている
・プリシラが死んだ今、嫉妬の魔女殺しの目的を再開
・アルが何度も世界をループしている可能性
・アルがエミリア陣営として存在していたループがある
・そのためかエミリアやラムやベア子に何らかの気持ちがあるような描写がある
・ただ、エミリア陣営にいたなら、本物のスバルがいないのはおかしい
・アルデバランの名前はエキドナがつけた
・茶会でエキドナに修行をつけられドーナやオル・シャマクを習得
・先生呼びはエキドナが嫌がる呼び方だと知ってそう呼んだ
・権能は最初期から持っていた
一つだけ気になったのは、嫉妬の魔女を殺す、ということがイコールエミリアを殺すではないということです。
サテラとエミリアもスバルとアルに近い関係のように思えますが、エミリアを殺すことが精神上問題ないなら、アルであれば正直かなり簡単なはずで、最初からそうしているでしょう。
それにしても今思えば、スバルを取り巻くものって、大体がエキドナ由来のことが原因ですよね。ロズワール然り、スピンクス然り、アル然り。
ということで、最新話までのアルについてのことをまとめてみました。 9章はアルの章らしいので、これから彼の正体が明らかになることでしょう。